検診の普及が減らした子宮がんの死亡率

近年、子宮がん（頸＜けい＞がん）の死亡率は減少してきています。これには、放射線治療や手術といった治療法の発達が大きくかかわっていますが、見逃してならないのは検診の普及です。どんなに治療法が発達したところで、早期のうちに発見できなければ、やはり手遅れになることが多いのです。ですから、恥ずかしいから……などとためらわずに、定期的な検診を積極的に受けましょう。 かつて日本では、子宮がんといえば子宮頸がんのことを指していました。しかし、ライフスタイルの変化などにより、欧米に多かった子宮体がんも急速に増えてきています。症状があったり、ハイリスクな人は、両方の検査を受ければより安心です。

検査方法

マンモグラフィ

乳房を挟みながら圧迫し放射線を利用して撮影します。触っても分からないような早期の小さな乳がんは勿論、しこりを作らない乳がんを非常に細かい石灰砂の影（微細石灰化）として見つけることができます。

乳房超音波検査

乳房に超音波をあてて内部からの反射波（エコー）を画像にして異常があるかないかを診断します。超音波検査は乳腺の密度に影響を受けないので乳腺が密な若い人にも適していると言えます。

骨粗鬆症をご存知ですか？

骨粗鬆症とは、カルシウム不足などの原因によって骨の密度が粗くスカスカになり、もろくなってしまう病気です。骨粗鬆症になった骨の断面は、まるでカルメ焼きやふのようです。高齢者になって腰が曲がったり背が縮んだりするのは、そうなってしまった骨が次第に押しつぶされていくからなのです。 骨粗鬆症は、骨折の大きな原因にもなります。そして、高齢者の寝たきり原因として、骨折（特に大腿部の）は第３位にランクづけられています。そのことも、骨粗鬆症が大きな社会問題といてクローズアップされるようになった一因です。

骨粗鬆症検診で骨密度測定を！

骨の成長が止まるのは、だいたい17〜20歳ごろ。そして、30歳をすぎるころからは骨のなかのカルシウムは徐々に減り始めます（個人差があります）。ただし、カルシウムの減少は食事や運動といった生活の仕方によってある程度抑えることができます。骨粗鬆症を予防するためにも、40歳を過ぎたあたりから定期的に骨粗鬆症検診で骨密度を計ってもらいましょう。

骨粗鬆症を防ぐ生活習慣

どんな検査なの？

これは、がんの早期発見のための手軽なスクリーニング検査として用いられています。腫瘍マーカーというのは、おもに悪性腫瘍（がん）がつくり出す物質で（正常な細胞がつくり出すものもあります）、血中や尿中に見られ、現在10数種類発見されています。これらのなかには、どんながんでも増えるものと特定のがんでしか増えないものとがあるため、診断はいくつかの検査結果を組み合わせて行われます。悪性腫瘍が小さい場合は検出されないこともあります。

前立腺肥大とは

前立腺は男性特有の器官で、膀胱と尿道の接する部分から尿道の後部にかけて尿道を取り巻いている器官です。ここがだんだんと肥大し、尿道を圧迫することによって起こる障害が、前立腺肥大です。この病気の初期には、尿が出にくくなるなどの自覚症状が現れます。50歳以上の男性なら、多かれ少なかれこうした傾向が出てきがちですが、症状が進むと腎臓の機能にも障害を起こすことがあるので、早めに適切な治療を受ける必要があります。

前立腺がんとは

このがんは、日本人にはそれほど多くはありませんでしたが、60歳以上の高齢者ではかかりやすく、長寿社会を迎えたいま、注意が必要な病気です。 初期の自覚症状がはっきりしないため、検診以外での早期発見は非常にむずかしいがんですが、逆に早期発見さえなされれば治療の効果はよく、死に至ることは少ないとされています。

血圧って何？

血圧とは、血液が血管の内側を押す圧力のことです。血液を、ポンプのような動きでからだ全体に送り出しているのが心臓で、収縮期(最大)血圧とは、心臓がギュッと縮んで勢いよく血液が押し出されたときの血圧を、拡張期(最小)血圧とは心臓がゆるんで元に戻ったときの血圧をさします。ちなみに、血圧は測定するときのいろいろな条件によって変動します。たとえば、一般に、１日のうちでは朝よりも夕方が高く、季節的には冬に高くて夏に低い、という傾向があります。また、感情の変化にも影響されます(日ごろ測り慣れない人が、医師や看護師さんの前で緊張し、血圧が上がることもあります)。本当に正しい血圧を知るには、定期的に測り、記録してみるのが理想です。

見つけにくい心臓の異常を見逃さないために・負荷心電図

負荷心電図は階段の昇降、トレッドミル(動く歩道のような装置)など、一定の運動を加えて心電図を記録する方法。狭心症など、安静時には発見しにくい虚血性心疾患の診断に広く用いられます。

結果の見方

心電図検査では、心筋が動くときに生じる弱い電流の変化を心電図記録計で読みとり、そのグラフの波型から心臓の異常を調べます。

LDLコレステロールって何？

LDLコレステロールは、コレステロールを血管壁に蓄積させ、動脈硬化の直接の原因となるので「悪玉コレステロール」と呼ばれています。この検査により、動脈硬化の進行を推測することができます。

HDLコレステロールって何？

HDLコレステロールは、血管壁に付着した余分なコレステロールを回収して肝臓に運び戻します。動脈硬化を防ぐ働きをすることから、「善玉コレステロール」と呼ばれています。HDLコレステロールは、喫煙、運動不足、肥満などが原因で低くなることがあります。

中性脂肪って何？

中性脂肪はからだにとって非常に効率的なエネルギー源で、エネルギー不足のときに利用されます。食べたり飲んだりしてからだにとりこまれたエネルギーで、使われずに余ったもののほとんどが、中性脂肪のかたちで体内に蓄えられます。よく肥満の大敵のようにいわれる皮下脂肪の主成分が、この中性脂肪です。中性脂肪は、蓄えが多くなりすぎると肥満や脂肪肝の原因となり、血中にも増加します。血中に増えた中性脂肪は血管壁にこびりつきやすく、動脈硬化の原因になったり、促進したりするとされています。また、中性脂肪が増えると、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が減るという悪循環も起こります。とはいえ、食生活の改善によって比較的簡単にコントロールできます。

動脈硬化(血管の老化現象)は年齢を重ねることで誰にでも起こりますが、個人差が大きく、早期発見をし、進行を防ぐことが大切です。

血圧脈波検査

両手、両足首４箇所の血圧を同時に測定します。検査時間はわずか５分程度で、痛みはありません。

頚動脈超音波検査

仰向けに寝て、首にゼリーを塗り、超音波を発する機器をあてて検査します。被ばくや痛みの心配はありません。

甲状腺ホルモンって何？

甲状腺ホルモンは、からだのエネルギー代謝を調整する非常に重要なホルモンで、過不足があるとさまざまな障害が出てきます。そこで、血中の甲状腺ホルモンの濃度を測定し、甲状腺の機能を調べるのがこの検査です。T3、T4は、それぞれトリヨードサイロニンとサイロキシンという甲状腺ホルモンの種類を表していますが、T4に比べてT3のほうが甲状腺ホルモンとしての作用は強力です。